第3回 開発番号02金型内【ゲートカットユニット】(回転切断)

新規開発テーマは大小合わせて5~10テーマ。それをランダムに同時進行させている。ポイントは能力の配分バランスと頭の中の引き出し量とその位置。思考時間は1テーマ最長でも5分程度。それ以上考えていても時間の浪費である。良い案は瞬時に生まれ、時間をかければかけるほどアイデアの質が落ちる。そのときはさっさと引き出しに仕舞い込む。仮想引き出しの形状はT字型。横の列には開発初期を平行に並べ、成熟とともに中央縦軸に移動し、完成度が上がるごとに下げていき、その後製品化へと進む。成熟度次第であるが1~3年間は横軸のまま。10年以上横軸から縦軸に進まない案件もある。

肝心なのは引き出しに入れたことと、その場所を忘れないこと。もっとも忘れてしまうような案件はたいした案件ではない。本稿で説明する1988年発売の金型内【ゲートカットユニット】(図1)は開発初期の横軸から縦軸最下点まで約15分である。

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