第10回 開発番号21金型内樹脂ガス計量システム【ガスゲージ】

前回(2013年2月号)、【Stベンド】(負圧ストロークガスベンド)経由にて金型外に排出されるガスを、濡らした指先や耳たぶで確認した。だが、それを感覚ではなく、説得性のある視覚化できないかと考えた(図1)。名づけて簡易形「樹脂ガス量確認装置」。金型最終充填付近に設置した【Stベンド】を経由した樹脂ガスはチューブを介して、洗面器中央に立てられたメスシリンダーに送り込まれる。飽和塩化ナトリウム溶液を満たしたのは、採取ガスが水に溶けることを避けるため。樹脂を送り込むと連動してガス泡がブクブク…。これでガス抜きの重要性が視覚で検証される。ブクブクっと何度か繰り返す。ガス泡量も安定している。「おもしれー」。

今や成形不良の90%以上が樹脂ガスによると言われている。樹脂の製造ロットにより不良率も異なる。材料メーカーに問い合わせても明確な答えは出ないが、不思議と次のロットで樹脂ガス量問題は解決されることがある。だが、あくまで感覚の話で何のデータもない。データさえとれれば材料メーカーと対等に交渉ができる。

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