第23回 (番外編1)型締め力は成形の本質か?

一般的な成形条件は、多くの疑問は残るものの射出容量、投影面積から型締め力が算出され、成形機が選定されている。選定された成形機が50tであれば、50 t の型締め力で金型を締め上げ、すべてが充填するまで射出圧力(射出スピード)を上げた。無論ゲート形状・樹脂温度・金型温度により若干は異なるが、それでよしとする成形技術者が今でも大半を占めている。

高型締め力の設定による「高射出圧力化への弊害」、「樹脂ガスの排出弊害」、「ゲート数の増加」、「金型汚れ」など、各種の弊害を除く対策として多くの提案をしている。本稿では詳細は割愛するが、樹脂ガスおよび金型内空気を負圧で金型外に排出する【STベンド】、ピンゲート仕上がり面と成形性の両立を図る【ライフルゲート】、不良の大半を占める樹脂ガス対策用に金型内樹脂ガスを計測する【ガスゲージ】、射出圧力(スピード)に頼ることなく金型内に樹脂を充填させる金型内負圧発生装置【ガスバルブ】など。

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