第39回(番外偏5)射出成形による生体吸収性部品「歯科用インプラント」
射出成形による生体用医療部品の可能性に取り組んだきっかけを第32回(2017年2月号)で紹介した。スペインのGTMedical社との取引はその後も進んでおり、金型の納入実績は60型以上。「元気に活躍している」とのこと。良好な関係は現在も続いている。
一方、可塑化装置の小型化開発に特化すること10数年。成果の一つに射出ユニットを両腕ロボットの双方に取り付け、自在な場所に押出し/射出する「ピンポイント成形」がある。これは誌面の都合もあり本稿では割愛するが、もう一つの用途開発に、今で言う3 Dプリンタがある。開発した射出ユニットをマシニングセンタ(MC)の主軸側面に取り付け、丸棒の側面に樹脂を押し出しながら、求める近似形に積み上げる。固化後、近似塊(樹脂)の丸棒を前後に回転させ、3 方向からMCで加工し3次元形状を整える。この新たな工法を【P-Process】という。今の 3Dプリンタと何が違うかと言われれば、まず材素が違う。こちらは汎用ペレットだ。そして精度も違う。そもそもわれわれが目指したのは「実装できる」製造部品だ。