第40回 (番外編6)「クラスノヤルスク合意」極東ロシアの金型人材育成
新たな開発のカタチを見いだしたとき、高嶋直一氏(元・三菱油化)を団長(現代表・田代氏)とする技術士集団「コンペックス」を訪ね、開発製品の評価をいただいた。優しさと厳しさを併せもつ、樹脂成形のすべてにかかわるプロフェッショナル集団だ。その中に、筆者が師匠と慕う樹脂に関するプロ中のプロと言われた浅野協一先生(故)がおられた。
一方、1993年に細川護煕元首相とエリツィン元ロシア大統領の間で交わした「東京宣言」、4年後の1997年、過去の主な合意を再確認し2000年までに平和条約を締結するよう全力を尽くすことで合意した橋本龍太郎元首相とエリツィン間の「クラスノヤルスク合意」がある。北方領土問題を早期に解決し、歯舞・色丹など北方領土の返還に導きたい日本。自国内に日本センターを設置し、市場経済改革支援の一環として日露経済関係の人材育成と、極寒の漁業と林業に代わる将来の新たな産業を育てたいロシア。両国の思惑は一致した。