第4回 開発番号05糸引き問題簡単解決【K2】

今でこそ少ないが、町の成形工場の大きな悩みはノズルタッチ部からの樹脂漏れ。原因は成形機側のノズルRと金型側ノズルRの精度不良。先端の潰れたノズルR、受ける側の金型も潰れを想定した大きな手づくりのノズルR(市販品が出回るのは1990年以降)。これでは樹脂漏れは発生しない方が不思議である。成形現場では対応手段として、材料の袋やダンボールを千切りして適当に折りたたみ、成形機ノズルと金型ノズルの間に挟んで樹脂漏れを防いでいた。当然、挟んですぐの1ショット目は打ち抜かれたダンボールが樹脂の先端につくので廃棄した。

12 枚つづりの樹脂漏れパッドの販売も悪くない。開発製品は単純でシンプルが一番。パッドの厚みを設定するため、さまざまな厚みのダンボールを旧知の三光プラスチックス(川崎市中原)に持ち込んだ。0.5mm程度の厚さのダンボールをφ20mm程度にハサミで切り抜いた後、ノズル間に挟み樹脂を送り込む。樹脂漏れもない。ジグソーパズルに利用する紙型は、木板に刃物を抜き形状に埋めた簡単なもの。当然型代も安く数万円ですむ。だが、なぜか心が浮かない。ユニット金型や金型内ゲートカットユニット完成時の(新製品一丁上がり)の達成感と高揚感がまるでないのだ。

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