第6回 開発番号24【非円形ピンゲート】
今回は、開発番号24【非円形ピンゲート】を軸に、ギヤなど真円度が要求される【リングゲートA、B】、多数のゲート口から材料が一気に噴出する【スクランブルゲート】、高速充填用ピンゲート【ラインゲート】、【クロスゲート】を紹介する。さらに超薄肉にも対応した本命の【ライフルゲート】について開発経緯と詳細を述べる。いずれも快適な成形性と良好なゲート仕上がり面を担保している。さまざまなゲート形状のそれぞれに呼称をつけ、総称を【非円形ピンゲート】としている。
解決不可能とされた難題の一つにピンゲートのゲート残りがある。その原因は明白で、ピンゲートが丸形状であることに起因する。良好な仕上がり面を求めるとゲート径は小径となり、快適な成形性は損なわれる。快適な成形性を求めるとゲート径は大径となり、良好なゲート仕上がり面は求められない。すなわち、ゲート残りがあるからゲート径をφ1mm以下にし、充填不測の際にはゲート数を増やす。まさしく「現象解決」の典型である。