第20回 2000年(開発)一括可動成形法【インモールドアッシ】

年間に10数種類の開発をした時期があった。毎日のように新たなアイデアが浮かぶ。溢れ出る荒削りのアイデアを頭の引き出しに出し入れしているうちに構想が固まる。思考時間は長くても5分。解決できなければ再度、引き出しの中に入れる。ときとして引き出しに入れたまま忘れる場合もある。それはそれでよい。忘れてしまうくらいのアイデアはたいしたアイデアではない証拠。おもしろく斬新なアイデアは決して忘れない。

その昔、長々と続く樹脂チェーンに衝撃を受けた。まさしく「一括成形可動モールド」の好事例である。個々のリングごとにピンゲート跡、パーティングライン(PL)、エジェクタピン(EP)跡も確かにある。しかし、型構造その物の見当がつかず、想像すらできない。まるっきりわからないのだ。

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