第18回 1999年(発売)交換式・無滞留ホットランナーシステム【CGUNiT】
世界最小ホットランナーチップ【マイクロプローブ】の完成後、付随技術とするマニホールドの開発に着手。今であればビックデータからの資料収集は数時間と簡単だが、世界中の情報を入手するだけで一年半を要した。欧州、北米、米国、アジアを含む、世界中のホットランナーメーカーのいずれも、小物成形品、スーパーエンプラを含むエンプラ対応のものはない。また、中・大物樹脂部品、キャップ類などを含む汎用樹脂用の物が多数を占めており、個々の製品に合わせたカスタムメイドがすべてであり、ホットランナーの規格化は不可能であると考えられていた。
製品部を金型中央に配し、ランナー・ゲートを自由に配する現方法を否定する気はない。だが、ランナー・ゲート位置を設定後、製品配置を考える。この逆の思考であれば高価なホットランナーのユニット化(交換式)を可能とする。個々の金型にホットランナーを搭載した場合の金型コストと、ホットランナーを規格ユニット化し、さまざまな金型に搭載した場合の金型コストでは比較にはならない。ホットランナー化は大量生産を前提としたが、交換式とすることで少量生産にも対応が可能だ。